工務店は施工のプロフェッショナルです。多くの場合、細部の納まりや技術的な知識は、工務店の方が設計事務所より勝っています。この納まりだと経年劣化が激しくなる、メンテナンスがしにくい、歩留まりが悪いなど、住まいがハードウェアとして長持ちするように、工務店は、「施工面において住まい手さんに不利益が生じないように」、この役割を担っています。
一方、建築家(設計事務所)は、「住まい手さんの理想的な生活を実現するためのプランを描くプロフェッショナル」です。それぞれの家族のライフスタイルや敷地環境に合わせた設計を、ゼロベースで考えます。施工者の都合よりも、住まい手さんの生活スタイルや周辺環境を考慮した設計を行います。
施工段階における設計事務所の役割は、工務店が行う工事を「監理」することです。これは設計図面で示した指示や意図の通りに施工ができているかどうかをチェックする作業です。これに対して工務店は、施工精度などの厳しい水準に応えるとともに建築家が描いたプランをどう収めるか、その技術的やコスト的課題の解決策を提示しながら工事を進めます。
住まい手さんに寄り添いながら、その理想のカタチをプランニングする設計者と、住まいがより長持ちすることを優先させる工務店では、担うべき責任が違います。「欠陥住宅になりにくい」「手抜き工事を防ぎやすい」という第三者的視点においても、この視点は重要です。盟章建設は、建築家とのコラボレーションで「設計と施工」を分けた家づくりをお勧めしています。