「飯田新田の家」植栽の剪定から考える空き家の管理

修理・補修・点検その他

今回は、さいたま市の「飯田新田の家」です。

実はこちら、高校時代の同級生の実家。

私にとっても、ずいぶん昔から知っている家です。

高校1年のときの仲間で、なぜかその頃の10人くらいとは今でも付き合いが続いています。

高校生の頃には、それぞれの実家に集まって、みんなでわいわいやっていた時期もありました。

この家にも何度かお邪魔したことがあり、個人的にもいろいろと思い出のある場所です。

あれから約50年。

現在はご両親も亡くなられ、家は空き家になっています。

空き家でも、庭の木は伸びていきます

飯田新田の家 剪定前の庭木

家に人が住まなくなっても、植木は待ってくれません。

こちらのお宅も、しばらく本格的な手入れができていなかったため、庭木がかなり大きくなっていました。

道路側へ枝が伸びたり、お隣の敷地側へ越境しそうになったり。

そこで同級生から、「とにかく一度、さっぱりさせてほしい」と相談がありました。

最初は、「シルバー人材センターなどにお願いした方が安く済むんじゃない?」という話もしました。ところが、高さ3mを超えるような高所作業は対応できないとのこと。

確かに現場を見ると、ちょっとした庭のお手入れという範囲ではありません。

そこで今回は、植木屋さんにお願いすることにしました。

自分たちで管理できる高さまで

飯田新田の家 庭木の剪定作業

道路際には、昔のお宅でよく見かけた背の高い庭木や紫陽花、松などがあります。

南側の庭には、大きな柿の木も。

これらを思い切って剪定していきます。

今回のポイントは、形をきれいに整えるというより、「これから自分たちでも管理できるようにすること」。

高いところは今後も手が届かないので、脚立程度で作業できる2m少々くらいまで高さを抑えてもらいました。

多少格好が変わっても、とにかくこれ以上大きくしない。そんな考え方です。

飯田新田の家 剪定後の庭

剪定前と比べると、かなりさっぱりしました。

ずいぶん明るくなりましたね。

職人さん2人で、切る作業と片付けを含めて2日間。

これだけの量になると、やっぱりプロにお願いする仕事です。

ちなみに最初の打ち合わせのとき、松の下に落ちていた松ぼっくりは少しいただいて帰りました。焚き火の火付けに使わせてもらいます(笑)。

「実家をどうするか」は、なかなか難しい

今回、植木の手入れをしながら改めて感じたのが、空き家になった実家を維持していくことの難しさです。

こちらのお宅にはご兄弟が3人いらっしゃいます。

仲が悪いわけではありません。

ただ、一人は遠方で暮らし、もう一人も結婚して別の場所で生活している。

そうなると、「この家をこれからどうする?」と考えても、なかなか簡単には答えが出ません。

誰かが住むのか。

そのまま残すのか。

売却するのか。

決めるにしても、みんなが近くに暮らしていれば、顔を合わせながら相談できますが、離れて暮らしているとそれも難しくなります。

その間にも、家や庭の管理は必要です。

今回のように植木は伸びますし、草も生えます。

放っておけば道路やお隣にも影響が出てしまうかもしれません。

空き家だから何もしなくていい、とはならないんですよね。

家だけでは解決できないこともあります

このお宅については以前から、「将来的にどうしたらいいだろう」という相談も受けています。

建物そのものだけではなく、土地や道路などの条件もありますので、不動産の専門家にも一度見てもらっています。

ただ、家というのは、単純に「使わないから売りましょう」とはいかないこともあります。

長く暮らした家には、ご家族の思い出もあります。

兄弟それぞれの考えもあります。

さらに土地や建物の条件によっては、売却や建て替えを考える前に整理しなければならないことが出てくる場合もあります。

今回は植木の剪定というご依頼でしたが、その背景には、今の日本のあちこちで起きている「実家の空き家問題」があります。

私たち工務店の仕事というと、家を建てたりリフォームしたりすることを想像されると思います。

でも、長く地域で仕事をしていると、

「親が住んでいた家をどうしたらいい?」
「空き家になった家をどう管理したらいい?」

という相談も少しずつ増えてきました。

すぐに答えが出なくても、まずは今できることから。

今回でいえば、ご近所に迷惑がかからないように植木を整理して、自分たちでも管理しやすい状態にしておく。

それも、家を守っていくひとつの方法だと思います。

昔、仲間と集まった思い出のある家だけに、この先どうなっていくのか、私も少し気になっています。

また何かお手伝いできることがあれば、一緒に考えていきたいと思います。