パルシステムの組合員さんから、リフォームのご相談をいただき、富士見市のお宅へ現場調査に伺いました。
築30年を超える、軽量鉄骨系のハウスメーカーで建てられたお宅です。
こちらのお宅は、現在のオーナーさんが中古で購入されたもの。かなり広い敷地で、購入された当時はこの家とは別に倉庫のような建物も建っていました。
ご家族で長くこちらの家に暮らしていましたが、夏の暑さや冬の寒さ、なかでもお風呂の寒さにはずっと悩まされていたそうです。
その後、敷地内にあった倉庫を取り壊し、そこに性能の高い新しい住まいを建て、現在ご夫妻はそちらで暮らしています。そのため、しばらくこちらの家は空き家になっていました。
ところが今回、息子さんのご結婚が決まり、息子さんご夫妻がこちらの家で新生活を始めることに。
そこで、「せっかくなら、住み始める前に気になっていたところを直しておきたい」ということで、盟章建設にご相談いただきました。
お湯に浸かっていても、お尻が冷たい

今回の一番のお困りごとは、お風呂です。
以前この家に暮らしていたときは、とにかく寒くて「冬は、お湯に浸かっているのにお尻が冷たい」と感じるほどだったそうです。なかなか想像できないですよね。
今回は、息子さんご夫妻がこれから暮らすにあたって、できるだけ暖かく快適なお風呂にしたい、というのが大きなご希望です。
ただ、現場を見てみると、単純に古いお風呂を新しいユニットバスに交換すれば終わり、というわけにはいきませんでした。
現在のお風呂は、浴槽から窓までの寸法がかなり特殊です。
ハウスメーカー独自の寸法でつくられているため、現在の一般的なユニットバスの規格に、そのままではうまく納まりません。
今回は「窓を残すこと」よりも「暖かいお風呂にすること」を優先することにしました。
窓そのものを撤去するのではなく、室内側から断熱を施して、ユニットバスの壁でふさぐ方法を検討しています。
せっかくリフォームするのですから、以前と同じように寒いお風呂では意味がありませんからね。
天井裏を見てみると

こちらは、お風呂の上の天井裏です。
断熱材そのものは入っています。
ただ、現在の住宅と比べると断熱性能は十分とはいえず、施工にも隙間が見られます。
さらに、この家は軽量鉄骨造です。
鉄は木に比べて熱を伝えやすいため、外の暑さや寒さが鉄骨を通して室内側へ伝わりやすいという特徴があります。
こうした部分を「ヒートブリッジ(熱橋)」といいます。
断熱材が入っていたとしても、鉄骨部分から熱が伝わってしまえば、どうしても室内の温度に影響します。
寒さの原因は、窓だけではありません

こちらは下屋の部分。
下屋から2階の壁が立ち上がるところですが、ここも断熱材がきれいに連続しているとはいえない状態でした。
お風呂の寒さというと、つい窓だけを原因として考えがちですが、実際には天井や壁、床など、いろいろなところが関係しています。
そして床下も確認してみました。
床下からも冷たい外気が
オレンジ色に見えているところが、浴槽の下です。
ほとんど外気にさらされているような状態でした。
さらに床下換気口から中へ入り、洗面所側からも確認しましたが、洗面所の床下からお風呂の床下まで空間がつながっています。
つまり、冷たい外気の影響を床下からもかなり受けていたということです。
天井裏を見て、床下へ潜って、建物のつくりをひとつずつ確認してみる。そうすると、「これなら寒かっただろうな」という理由が少しずつ見えてきます。
リフォームは、今の家を知るところから

リフォーム、とくに断熱改修の難しいところは、家によって条件がまったく違うことです。
新築なら最初から断熱や気密を考えて、一つひとつ積み上げていくことができます。
一方、リフォームでは、すでにある建物を生かしながら考えなければなりません。
構造も違えば、断熱材の入り方も違う。長年の間に手を入れた場所があることもあります。
だからこそ、まずは今の家がどうなっているのかをきちんと確認することが大切です。
今回のお宅も、今のお風呂の広さをできるだけ生かしながら、窓や天井、床下からの冷えをどう抑えていくか、現在検討を進めています。
息子さんご夫妻がこれから始める新しい暮らし。
以前のような「お湯に浸かっていても寒い」お風呂ではなく、冬でも安心して入れる暖かいお風呂にしてあげたいと思っています。
工事が始まりましたら、その様子もまたご紹介しますね。
