「的場の家」造作から仕上げへ

的場の家

工事が進んでいる「的場の家」。

大工さんによる造作工事も後半に入り、キッチンやタイル、漆喰などの仕上げも少しずつ進んできました。

これまでの構造や断熱の工事とは違って、ここからは完成したときの住まいの姿がだんだん見えてくる段階です

今回は、そんな「的場の家」の現在の様子をご紹介します。

ダイニングには桜のカウンター

壁にはグラスウールの断熱材が入り、ダイニングの造作も進んでいます。

写真の下側にあるのがカウンターで、その上が本棚になります。

このカウンターは、暮らしのなかで机のようにも使う、ダイニングの中心になる場所です。

今回の「的場の家」では、造作材には基本的に杉を使っています。ただし、カウンターや水まわりなど、硬さや水への強さが欲しいところには広葉樹を使い分けています。

このダイニングカウンターに選んだのは、桜。

上の本棚は杉です。

実は、ほかの場所でも少しずつ木を変えています。

キッチンのカウンターには鬼胡桃(オニグルミ)、2階にあるご主人の書斎のテーブルには楢(ナラ)。

桜、鬼胡桃、楢。

場所に合わせて3種類の広葉樹を使い分けて、ちょっと遊ばせてもらいました。

仕上げには柿渋系の塗料も使い、今はなかなかいい表情になっています。

キッチンにも造作の棚を

こちらはキッチンの背面側。

下にはキッチンメーカーの収納が入り、その上をオープンにして家電などを置けるようにしています。

さらにその上に、杉で飾り棚を造りました。

既製品だけですべてを納めるのではなく、必要なところに造作を組み合わせることで、その家の暮らし方に合った収納になります。

キッチン側の工事も進み、壁にはキッチンパネルを施工

水や汚れが付きやすいところなので、日々のお手入れがしやすいようにしています。

ここで使っているカウンターが、先ほどの鬼胡桃です。

そして、キッチンも無事に入りました。

奥様にも現場で見ていただきましたが、やっぱりキッチンが入ると一気に「家らしくなった」という感じがしますね。

今回のキッチンは、一般的な2550mm幅のI型です。

特別大きなものではありませんが、今のキッチンは足元まで引き出し収納になっているので、収納量はかなりあります。

ご夫妻お二人の暮らしということもあり、今回は吊戸棚を設けていません。

若い頃には簡単に手が届いた高い棚も、年齢を重ねると使いにくくなることがあります。

手前までは届いても、奥の物が取れない。踏み台に乗らなければ届かない。

そうなると、収納があっても結局使わなくなってしまいます。

家は長く使うものですから、「今、使いやすい」だけではなく、この先の暮らしも考えておくことが大切なんだと思います。

玄関はウォークインできる収納に

こちらは玄関のタイル工事中。

写真の手前側が玄関で、職人さんがいる奥側がウォークインできるシューズ収納です。

いわゆる大きな下駄箱を置くのではなく、靴はもちろん、外で使うものなどもまとめて置ける場所になっています。

玄関との間にはロールスクリーンを設け、必要なときには目隠しできるようにします。

この収納は奥から室内へ抜けられるので、玄関まわりをぐるっと回遊できるつくりです。

こういうスペースがあると、暮らし方が変わっても使い方を変えられます。

たとえば将来、靴の脱ぎ履きに椅子が必要になったとしても、表の玄関を狭くすることなく置くことができます。

家づくりでは「お客さんが来たときにどう見えるか」を気にすることも多いですが、昔と比べれば、家の中まで人が入ってくる機会はずいぶん減りました。

だったら、自分たちが毎日どう使うのかを優先して考えてもいい。

そんな家づくりでいいんじゃないかなと思います。

モザイクタイルで、ちょっと遊びを

こちらは、お施主さんに漆喰の仕上げ方を確認していただいているところです。

カウンターまわりにはモザイクタイルを使っています。

キッチン側のニッチにも同じようにモザイクタイルを使い、ちょっとしたアクセントにしました。

こういう小さなところに少し遊びがあると、家全体の印象も変わります。

上部は本棚になるため、棚をしっかり支えられるよう「持ち送り(壁や柱から水平に突き出た部分=ブラケットとも呼ばれます)」も取り付けました。

見た目だけでなく、実際に本を置いたときの荷重も考えて造っています。

壁の漆喰は、同じ材料を使っても、左官屋さんのコテの動かし方によって表情が変わります。

そこで実際に現場で見本を塗り、「こんな感じでいきましょう」と確認してから仕上げてもらいました。

左官という仕事も、最近は職人さんが少なくなってきました。今回お願いしている左官屋さんはまだ若い方ですが、こうして職人さんの手仕事が家の中に残るのも、楽しみのひとつです。

「的場の家」は、いよいよ仕上げの段階です。

このあとクリーニング、完了検査、外構工事と進み、9月12日・13日には見学会を予定しています。

これまで工事途中をご紹介してきましたが、杉や広葉樹、モザイクタイル、漆喰など、それぞれの素材が最後にどんなふうにつながるのか。

完成した姿をお見せできるのも、もう少しです。